相模原なるほど学校クイズ【70】

教員不足、先生の働き方改革が叫ばれるようになりもう何年経つのでしょうか。

相模原市ももちろん教員不足は大きな問題であり、改善を求めることは当会の主な活動となっています。

今回は教員不足について、しろいゆきさんが問題を作ってくれました。


 Q.相模原市では、小中合わせて何人の教員未配置が起きているでしょうか?

① 51人  ② 36人  ③ 25人


答えは画像の下にあります。

《答えと解説》

答え:② 36人

解説:未配置というのは、教員が、療養休暇や産休、育休、介護休暇、休職になったときに、「臨時的任用教員(臨任)」が充てられない状況のことです。臨任は常勤講師として採用され、正規教員と同じように仕事をします。だから未配置ということは、担任の先生が休暇に入ったのに代わりの先生がいないということになります。

この36人という数字は、昨年12月上旬に市教育委員会に尋ねたところ、回答として教えられた数です。36人の内訳は、小学校27人、中学校9人の未配置だそうです。そのうち、小学校22人分と中学校4人分は非常勤講師で対応しているとのことです。

非常勤講師というのは、限られた授業や指定された業務だけを担当するので、フルタイム勤務ではありませんし、担任の先生が行っている給食や清掃指導、校外学習の引率などは行えません。だから、学級担任はできません。誰もいないよりましだから仕方ない(やっていただいている先生方、失礼な言い方で申し訳ありません)という感じです。

では、36人分の担任(もし全員が学級担任だとしたら)は誰がやっているのでしょう。専科(音楽や図工などを専門に担当する)の先生、児童支援専任の先生、教務主任の先生、副校長先生が担当しています。時には、校長先生も授業を担当します。そして、その先生たちが受け持っていた授業や業務は、各担任が分担して行ったり、時間的に過酷になりながらもその先生たちがそのまま行うことになります。該当する学校では、ただでさえ長時間労働が問題にされている中、ギリギリの綱渡りです。

市内に2000人余りいる小中学校教員の内の36人の未配置は、一体たいしたことのない数字なのでしょうか?そして、この36人という数字は、現在ではさらに悪化していることが想像されます。

さて最後に、市内のある小学校の現在の状況を紹介します。

今年度、事情があって休職している先生がいましたが、代わりの先生は配置されていませんでした。(-1のスタート)2学期から産休に入る先生がいましたが、代わりの先生は来ませんでした。(-2)2学期途中で、2名の先生が体調を崩し休暇に入りました。(-4)3月から産休に入る先生がいます。(-5)

未配置の分は、専科や教務主任、管理職でカバーし、非常勤講師を学校努力で捜してお願いし、今年度あと1ヶ月を乗り切らなければなりません。

教職員も大変ですが、一番のしわ寄せは子どもたちです。


注目してほしいのは「さて最後に〜」の後に書かれている事例です。

年度始まりは1人の未配置だったのに、年度終わりには5人の未配置になっているということが相模原市内の小学校で実際に起きているのです。

ということは、市内全体で見ると年度終わりの未配置は一体どれほどになっているのでしょう。

先生1人が欠けると影響を受けるのは1クラスなので、35人〜40人の子どもが困ってしまうということになります。そこをカバーするために全校生徒児童のために仕事をしなければならない職務についている先生の時間が削られると考えると、数百人の子どもに影響しているとも考えられますね。それが36人の未配置。。。何千、もしかしたら数万人の子どもが影響を受けているかもしれません。(相模原市の児童生徒数は5万人弱です)

将来を支える子どもたちの教育を蔑ろにしたことが、数年後の自分にも還って来るのではないかとも思います。


教員不足に対して、私たちは何ができるでしょうか。

例えば、こんなアンケートに回答することができます。

選挙に行き教育問題に関心のある首長や議員を当選させることができるのも、私たち市民にできることの一つです。

もちろん、選挙まで待たずに行政や議員さんに語りかけることもできます。

教育問題は先生や子どものいる家庭だけの話ではありません。当事者意識を持って考えていきたいです。


相模原の子どもと教育を考える会

教育や子どものことをともに考え、語り、行動していく市民、学生、教員、団体を繋げていく取り組みをしています。 給食問題から少人数学級の実現など様々な問題に取り組んできました。 定期的にニュースも発行しています。

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