相模原なるほど学校クイズ【82】

新年度になると、身体測定や健康診断などが次々に行われますね。

その中の一つが「体力テスト」。今回は体力テストに関するクイズをサッカー大好きさんが作ってくれました。


 Q.体力テストが毎年6月に市内一斉に行われていますが、やらなければならない学年は何年生でしょう?

① 全学年

② 5年生のみ

③ 6年生のみ


答えは画像の下にあります。

《答えと解説》

答え:② 5年生のみ

解説:文科省から出ている文書では、体力テストの目的を

子どもの体力の状況を把握するととも、日常生活における運動習慣及び基本的な生活習慣などの状況を把握し、その改善を通して、体力・運動能力を向上させること

としています。また、小学校では、5年生のみを調査対象としています。

テストの結果は全国でも低い神奈川県の中でも、相模原市はさらに低い位置にいるそうです。

しかしながら、相模原市では、全学年で行い、記録を子ども、保護者に返すだけで、具体的な分析や手立てを打っている様子はありません。それどころか、テストをするだけのやりっぱなしなところがあります。これでは、子どもたちの体力も伸びるものも伸びませんよね。

さて、みなさんに考えていただきたいのは、テストをやったからと言って体力は伸びるのでしょうか?答えは否です。しかし、相模原市では、5年生だけで行えばよい体力テストを時間と手間をかけて全学年行っているのです。テストの点数を伸ばしたければ、練習をすればよいのですが、体育の目的はテストの点数を伸ばすことなのでしょうか?

学習指導要領には

心と体を一体としてとらえ,適切な運動の経験と健康・安全についての理解を通して,生涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育てるとともに健康の保持増進と体力の向上を図り,楽しく明るい生活を営む態度を育てる。

とあります。

こう考えていくと全学年で行う必要はありません。

では、なぜ全学年で行っているのでしょう?

それは、先程述べたように全国学力状況調査だけでなく、学びの調査を行っているようにテストのための練習でしかないのではないでしょうか?横浜市など、全学年で行っている市はありますが、逆に行っていない市もあります。その市の、体力は果たして低いのでしょうか?

そもそも体を動かすことが楽しいと思え、生涯に渡って体を動かしていくことが目的の体育がテストのための体育になってしまわないようにしなければならないと思います。

相模原市の小中学校の体力テストの結果を見てみましょう。

(資料)令和5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査 -相模原市の結果概要- 

なぜか長座体前屈だけ男女ともに全国平均を上回る結果にちょっと笑ってしまいました。

なんでやたら体が柔らかいの?それとも足が短いの?手が長いの?と。

過去数年分を遡ってみてみても、やはりなぜか長座体前屈は好成績のようです。


推移を見てみると、中2男子の結果は県平均を上回る年もあるようですね。部活動との関係なども気になります。

一方で質問紙調査では、朝食を食べる割合も全国平均よりも低く年々低下傾向であることや、スクリーンタイムが全国平均を上回っていることもわかったようです。


昨年度の結果を踏まえて、市は「ホームタウンチームと連携した授業」や「PTAと連携して、保護者とともに生活習慣の改善が図られるよう、資料等を配付して啓発に努める」などの取り組みを推進する、としています。

日常的な運動習慣や生活習慣を身に付けなければならないのに、「ホームタウンチームと連携」と聞くとある種のイベントのようになってしまい運動習慣には結びつかない気がします。

タブレットを使った授業や宿題を出しておきながら、スクリーンタイムが長いから保護者と共に啓発に努めると言われてもなんだか矛盾を感じます。

そして気になるのは、他の学年の調査がどう活かされているのかという点。

毎年計測しているのだから、その学年の結果がどのように推移しているのかを調査することも大切だと思います。「昨年よりも上がった(下がった)のはなぜか」を知ることで、その学年に適した対策を取り、体力向上や習慣付けにもつながるのではないでしょうか。

相模原の子どもと教育を考える会

教育や子どものことをともに考え、語り、行動していく市民、学生、教員、団体を繋げていく取り組みをしています。 給食問題から少人数学級の実現など様々な問題に取り組んできました。 定期的にニュースも発行しています。

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